最近はすっかり聞かなくなってしまった『アンソニー』
10年前迄は女子チームの誰からもアンソニーと呼ばれていたのにも関わらずである。
さてアンソニーとは?
杉本コーチの事である。
私と彼とは30年以上の付き合いで、もう腐れ縁と言ってもいいだろう。小学校、中学校とサッカーを供にやり高校は飛ばして社会人サッカーも一緒にやり、そして宮原サッカーのコーチもほぼ同時に始めている。(名誉の為に言うが彼の方が一年早い)
彼とはかなり共通点があり、まずはプロレスの大ファン。アントニオ猪木を心酔しており引退試合を一緒に行ってテレビに映ったものだ。
そしてキャンディーズの大ファンでありカラオケでは必ず私とデュエットするのが定番。
熱血なのにロマンチスト。エンターテイナーで司会をさせたら天才的。私の司会なんかは彼の足元にも及ばない位(コスチュームも10種類はあるのでは?)職人技。
子供達の指導もかなりのもので、芸達者を育て、なんだかんだ強いチームを作ってくる。
・・・がしかし、熱血が空回りする所もある。
若い頃はサッカーの試合でヘディングシュートをゴールの目の前にも関わらず地面におもいっきり叩き過ぎてゴールバーを越えたり、慣れないフェイントを仕掛けてそのフェイントに自分が引っ掛ったりした事もあって、さすがエンターテイナーを思わせた。
それで思い出したが、やっぱり若い頃のエピソードで、ある雨の強い日の試合。グラウンドは水溜まりだらけ。そんな中でも熱血杉本コーチはボールを追っかけ回していた。
必死に追っかけたボールは残念ながらキーパーにキャッチされ諦めて自陣に戻ろとした時、キーパーのスローしたボールが杉本コーチの後頭部に直撃!ベンチは爆笑した。しかしながら熱血の杉本コーチはそんなことは気にせずチャンスとばかり跳ね返ったボールを追いかけキーパーと1対1に。しかしキーパーの方が一歩早くクリアー。クリアーを阻止しようとおもいっきり足を延ばしたが無惨にもクリアーボールが杉本コーチの急所(プロレス用語で金的)に直撃!水溜まりの中にうずくまっている杉本コーチを見てベンチは大爆笑!!
ここで話が終わったら普通の人である。
いつまでもうずくまっている杉本コーチにベンチは注意を施した。
『早く立て』と。早く立って引かないとオフサイドを取られるぞと。 勿論冗談で。
ところがその瞬間に信じられないホイッスルを我々は聞いた!
何とオフサイドを宣告するホイッスルで、事もあろうかラインズマンは水溜まりにうずくまっている杉本コーチを指しているではないか!!
これには死にそうになる位笑った。グランドにいる21人も爆笑し試合が止まってしまった。
当の本人は水溜まりに半分顔が浸かっており目の前に雨で点々と出来ている波紋しか見えなかったそうで何が起こっているか分からなかったらしい。
とにかく色々話題を持っていく彼も今や二児のパパ。仕事も責任ある立場にいるのですっかり落ち着いてしまったが、来年はついに愛息子を入団させるとの事。それによって又熱血『アンソニー』杉本が見れるかもしれない。更に楽しみなのが、嫁(綺麗な)が当番で来た時に少し絡んでみて、その時のアンソニーはどんな反応をするかが楽しみだ。
来年は何年かぶりにチーフコーチをやると言っている。例の甲高い声で“バカヤロー!スクワット10回!”が聞けるかな?
※ちなみにアンソニーとはキャンディキャンディのアンソニーから取ったものです。
by WDS